2007-02-23

上から読んでも下から読んでも八百屋です。 ~1~

~はじめに~

タイトルの通り、些か乱暴なまでに個人的主観による雑念を書き飛ばしてきたこのブログですが。
ここのところの更新頻度からお察しの方もいるかと思いますが、そろそろ書くネタにつまるようになってきました(笑)
より正確に言うと、書きたいことは、あるのです。でも、まとまらないのです。書き始め、下書きで保存している記事が実は5件ばかりあるのですが、続きを書いてまとめよう、という気になれません。
不勉強でなまけものな私には、力不足を感じ始めていたところです。
 
かといって、何も書かないのもなんだな、と思っています。
せっかく書けるものを用意してあるなら、書きたいのです。
私には、そこに掲示板があればほぼ見た全てに書き込みしてしまう、せずにいられない性分が、7年ネットをし続けている中で宿っているのです。
 
さて。何か書きまくりたいことはないものか。
考えていたところに、昨日、展示会の説明員をしていて、あまりの暇さに本を読んでいたのです。
 
さおだけ屋はなぜ潰れないのか?
~身近な疑問からはじめる会計学~(山田真哉-2005、光文社新書)

 
前々から気になっていた本だったので、昼休みの暇さに本屋までひとっぱしりして買ってきたのです。
なかなかに面白い本でした。数字の扱い方に私と似たものも感じ、にやにやしながら読んでいました。
 
そのなかの一節に、ちょっと考えさせられました。
専門の知識・技術を生かせる別の形は、実は結構ある、と。
 
私は、スーパーの青果担当で3年半働いていました。
自分で言うのもなんですが、結構成績はいいほうでした。
そのスーパーでは経営難からほとんど新規採用をしておらず、立場で言えば私はずっと一番下っ端でしたが。
10年以上の経験がある諸先輩より、こと売上や粗利益に関して言えば良いぐらいだったのです。
年間の休みが40日ぐらい、一日の平均労働時間は14時間、盆や年末は20連勤ぐらい当たり前で、しかもその最中のピークは20時間近く店にいる、という尋常ではない労働環境でしたが、趣味=仕事というぐらい仕事自体が楽しかったので、そんなに苦にはなっていませんでした。
直属の上司にはある程度認められていて、次の展開も見えてきていたところだったのですが。
はるか上のほうに、私と折り合いの良くない上司がひとりおりました。
自分が正しいと思ったら相手も立場も関係ない私は、常に睨まれていたらしいのです。
異動の季節。私は何にも思い当たるようなことがないのに左遷に近い人事を命じられました。
面白くない思いと同時に、能力より上への受けを重視する体質もいやになり、嫌だと思うとそれまでの労働条件も人として許し難いものだ、とまで思うようになり。
異動を命じられた次の朝には辞表を提出していました。
 
今は、専門的知識でいえば全く関係ない職場で働いています。
もちろん、基礎的なものに共通する部分はありますが。私の八百屋としての専門的知識は、今は全くと言っていいほど何の役にも立っていないのです。
一時は趣味とまで考えた仕事でしたから、そうそう頭からも体からも抜けません。
たまに買い物に行くと、やたら鮮度や品質にうるさく、しまいに店のトータルコンセプトにまで口を出すのですから、一緒に買い物する側はたまったもんじゃないでしょう。
吐け口が、ないのです。未だ理想の売り場を追い求めて頭は動くのに、それを形に出来ないのです。たまっていく一方なのです。
 
だったら、せっかくブログを書いているんだ、なんとか日の目をみせてやろうじゃないか、と。考えました。
専門知識だらけで、興味のある人は少ないかもしれません。
でも、野菜果物を全く食べない、なんて人は限りなくゼロに近いはずです。
弁当かインスタントか外食ばかり、という人だって、スーパーの惣菜の野菜はだいたい青果部門から提供しています。レストランや定食屋から足りないものを買いに来る事だってあります。
まるっきり、八百屋という仕事に関わり無く生きている人はいないと思うんです。
 
これから何回かにわたって、できるだけ誰にでもわかりやすいような形で。
この仕事を、そしてそこから繋がる商売の世界を紹介できたら、と考えています。
 
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