情報の引力
一昨日の夜、魔法のiらんどの緊急メンテナンスに関する記事を書いて以来。このブログには、平常時の3倍(と言っても元が元だけに大したことはないが)ぐらいのアクセスがある。
普段は一日に一人か二人いればいいほうの、検索エンジンからの来客がガボッと増えたのだ。
使われたキーワードは。「魔法のiらんど」「不正アクセス」「緊急メンテナンス」「ウィルス」「トロイ」等。中にはご丁寧にこれら全部を打ち込んで来た人もいる。全部含めばGoogleでは8ページしか出ない。そのうちの一つがここだったわけだ。
普段はまず見ないホストからも来ていた。gate-i.ped.mainichi.co.jp=毎日新聞社である。テクノラティというブログサーチでやはり「魔法のiらんど」で検索して来ていたから、今回の件の裏を固めているのだろう。
逆に、よく知っているホストからも、今日の0:30:46にわざわざGoogleで「魔法のiらんど ウィルス」で検索して来ていた。
heavensgate.tos.ne.jp=株式会社魔法のiらんどの、恐らく技術職以外の誰かさんよ。お前らは世間にどこまでバレてるか気にしてる暇があったらさっさと謝罪してトロイの除去法を詳細に解説しろと。メールの対応をしろと。必死でメンテナンスしてる技術職にあったかいコーヒーでも届けろと。
普段の私は、こういう「タイムリー」な記事を書くことはあまり無い。
全国的なニュースとして話題になるようなことを扱う場合も、流れてから2・3日経ってからが多いので、検索での表示ではメジャーなサイトに埋もれてしまうことが多い。そもそも速報を流そうとしているわけではないし、私の記事よりニュースを求めているアクセスは増えないほうがいいと思っているので、それで構わない。
今回も、緊急メンテナンスになったこと自体は8日の朝11時ごろには気付いていたが。その理由やらなんやらを調べて、私なりの思うことをまとめているうちに10日の夜になってしまっていた。
それでも、メンテナンスが長引いたがためにまだ「リアルタイム」の話題になり。マスメディアにはまだ乗っていないから、長引けば長引くほどに「何が起きたのか」「いつ戻るのか」と気を揉む人の数は増えてゆく。
魔法自体にアクセスができないので扱うページも少なく、魔法の利用者が併用するサービスはここのような一般公開ブログより検索エンジンに引っかからないmixiやモバゲーのようなSNSが多かったり、2ちゃんのニュース系に関連スレが無かったり。
そんな複合要因が重なりに重なるうちに、個人的主観山盛りのPageRank1のブログに「ニュースを求める人」まで来てしまったわけだ。
自分も良く使うので、わかっているつもりではいたのだが。
改めて、検索エンジンで繋がれたインターネットの世界というのは、恐ろしいまでにすごい。
「情報を求める人」がいて。「情報を収集整理するマシン」があって。「情報を提供する人」がいて。言語という記号を通じて、瞬時に全てを繋げていく。
例えばテレビのようなマスメディアは、多くの人に同時にたくさんの情報を与えることはできるが。それが求められている情報とは限らない。多くの人に求められやすい情報を、と公約数を求めるうちに、結局は多くの人にとってどうでもいい情報が中心になってしまう。今、どうしても必要な情報は、そこにはない。
例えば出版される書籍は、自分にとって必要なものかは読んでみないとわからない。本屋や図書館の膨大な数の書籍から、タイトルで見当をつけ。200ページの本なら3・4時間はかかるだろうに、全部読まなければ自分に必要な三行は見つからない。
Webでは、検索エンジンでは、それが瞬時に行われる。Web上をくまなく探すボットたちがインデックスした情報が、ここですよ、とポンと出てくる。
さらに、出し手を選ばない。ベストセラーしか置いてくれない本屋とは違う。私のような市井の庶民の頭の中のモヤモヤまで、くまなく拾い上げてくれる。
全ての情報には、引力がある。
人に好奇心がある限り。全ての情報には引力がある。
それが自分にとってどんなに不要なものでも、どこかの誰かが必要としている。利用するため。教訓とするため。反面教師として。一つのケースとして。あるいは、単に興味本位で。
これまではその力の大小・多寡によって差をつけて与えられていた情報が、Webによりフラットに与えられる時代になった。
夜空の星たちが、塵芥を引き寄せ集めて銀河を作るように。
私達もまた、たくさんの情報を集めるほどに大きく成長していく、のであれば、いいのだが。
どちらかといえば塵芥のほうの私にしたら、飲み込まれないよう気を付けなければ。
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