2006-06-19

妄想癖

妄想は、小さい頃からの私の趣味である。

例えば。私は小学校の頃、野球少年団に属していた。だが、体が小さく力も弱かった私は、なかなかうまくならなかった。
どうすればうまくなるんだろうか。考え始める。誰よりも練習する。実際、練習が終わって家へ帰ってから。夜7時や8時になってから、毎日素振りをしたり、壁とキャッチボールをしていた。
黙々と単純な作業をしていると、頭は暇を持て余して暴走を始める。

素振り一回。
カキーン、三治選手、打ちました、バックスクリーン一直線、入ったーホームラン・・・
ここで妄想は終わらない。
年間最多ホームラン記録は、王貞治の56本。越えるにはどうすればいいのかな。年間の試合が130試合。2試合に1本で、65本。簡単だなー、100本ぐらい打てそうだ。
どうせなら、100本打つより、ピッチャーやってホームラン王とかかっこいいな。どうすればいいかなあ。
中四日で投げるとして、まあだいたい4試合に一回投げるから、登板が年間33試合ぐらい。もうちょっと多いかな。40試合にしておこう。
40試合完投するとして、ピッチャーは9番だから打席は4回くるかこないか、だから150打席ぐらいか。56本、まあ50本でいいか。3回に1本ホームラン。簡単じゃん・・・でも完投しなきゃな。壁キャッチもやらなきゃ・・・
三治投手、第1球、投げました!なんと165km/h!・・・(中略)
最終的には、お立ち台のインタビューが終わり(中略)正月の球団対抗大運動会で100m走の世界新記録を樹立したあたりで寝る。
そんな毎日だった。

言うまでも無いが、妄想は現実にはならなかった。野球自体も、転校を機に6年の途中で辞めてしまった。

その後も、小説家になったり、宇宙飛行士になったり、北海道独立の立役者になったり、ロック歌手になったり。大忙しの毎日である。しかも、基本的な方針としては、全て私一人で兼任である。全部になるつもりだった。
人に言えば。間違いなくキ○ガイ扱い。自分だけの密やかな愉しみだった。

次第次第に、年とともに、現実から離れた妄想はしなくなる。しかし、目前の作業と違うことを考える、という癖は治らない。いつも、頭は動き続ける。
そして、どこかに吐け口を求める。

ネットは、実に都合がいい。
だから、僕が書いたことなんて真に受けちゃダメですよ。ええ、キ○ガイですから。

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