2006-08-14

音速の貴公子

軽自動車を使っている私は、普段は完全なるエコドライバーである。
最高速度は、法定速度。しかもそこまで加速するのに1分ほどかける。そして、信号のタイミングを読み切り、30km/hまではエンジンブレーキで減速する。
普通に町中を通勤に使っていても、大体15km/lぐらいの燃費で走行している。
このご時勢だ、ガソリンは使わないほどよい。
会社の営業車でも、基本的にはそれは変わらない。
さして急ぐ用事もなければ、どんな田舎道でもタラタラ走って後ろの車のイライラぶりにニヤニヤする。
だが、自分がイライラすることがあると。一変する。
営業車は、ランクルである。踏めば踏んだだけスピードは出る。
そして、北海道の田舎道は、周りに車も民家もないのだ。
真冬の凍結路面で、200kmある旅程を下だけ通って2時間切って帰ってきたことがある。
危険に思うかもしれないが、私の場合、限界のスピードに挑戦しているほうが危険は少ない。
ギリギリを狙うということは、それだけ運転に集中しているということである。
ただでさえ気が散りやすい私のことだ。60km/hでボンヤリしているほうが、よっぽど危ない。
ところで。それでイライラが解消するのか、と言えば、そんなことはない。
ただ、極限の集中状態にあるため、イライラのタネを忘れていられる、というだけだ。
社に戻り、自分の車のハンドルを握れば、またイライラの渦の中に吸い込まれていく。

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