2006-10-02

氷もほっときゃ流れるぜ

自分の愛する人を寝取られたら、どうするだろうか。
心理学的には、自分の交際相手を憎むのが男性的、浮気相手を憎むのが女性的心理らしい。
だが、どちらも憎まないことだってあると思う。
その相手が、自分にとってもあまりに魅力的だった場合。
私ならば、バンザイ降参である。どうしたって適わないのだから、仕方がない。
愛する人にだけは、自分の一番よいと思うところを、一番よいと思ってもらいたい。
それが適わぬのならば、バンザイであろう。諦める以前の問題である。

ヒロトにだけはかなわない。逆立ちしたって無理だ。
ヒロトにだけは、かないっこないのである。

深夜の、某人気ランキング番組のゲストライブ。ゲストは、ザ・クロマニヨンズであった。
冒頭インタビューからして
「新人です。デビュー曲です」(いや、うち二人芸歴20年ですよね?43歳ですよね?)
「この曲(タリホー)は、3分ないぐらいしかありません。忙しいあなたにもお薦めです」(その発想はなかった)
人を食うというのは、こうやるんだよ、と見せ付けたその後。驚愕のライブ映像が公開される。

いつものように、ぐにゃぐにゃしながらぴょんぴょんと。踊り歌うヒロトだが、どうも様子がおかしい。
歌と口が合っていないのである。

気付いた人もいるだろうか。その番組のライブは、大半が口パクである。
バンドものは特に多い。録音の都合もあるのだろう。
だが、そんな大人の事情に納得できるヒロトであるはずがない。

あからさまな口パク演技は、どんどんエスカレートする。
要所に散りばめられた、某番組の「エアボーカル」を彷彿とさせるようかのような変顔。
しまいには、鼻糞はほじるわマイク離れてスティック奪ってタイコポコポコ叩いちゃうわ。
あらん限りのやりたい放題である。
その傍らではマーシーが、ギターが鳴っているにも関わらず。ニカニカ笑い両手でガッツポーズを決めるのである。

無理だ。勝てるはずがない。
逆に己の至らなさを、いや、至らなさ具合の足りなさを思い知らされてしまう。
というより、むしろ自慢する。
ヒロトの今の彼女、俺のモトカノなんだぜ、ってなことになりかねん。

そんな、憎まれることすらないような男に私もなりたいものだが。
どうだね。今の僕は、どうだね。

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