2006-11-18

しし座流星群

すっかり忘れて寝ていた。
毎年11月17日から18日にかけての夜は、しし座流星群の極大日なのだ。
なんとかいう彗星が残していった塵の中を地球が通り抜けるたびに、その塵が大気との摩擦熱で燃えて光る。それが、流星群の仕組みだ。
5年前は、よく晴れたいい夜だった。まさに降るような流星を見ることが出来た。
今年は、その時ほどの規模ではないが、それでもこの先20年ほどない数の流星が予想されていたのだ。
極大時間は13時45分。その時間はさすがに無理だから、今日の朝方しかなかったのだが。
疲れ切って寝ていた。今週は大変だった。

星が好きだった。いつまででも見ていられた。
5年前のしし座流星群の大観測では、徹夜して一晩中快晴の夜空を見上げていた。
すい、すい、と飛び去る、遥か彼方からやってきた宇宙の塵に、想いを巡らせていた。
そして、小さい頃の恐ろしい思いを思い出していた。

死ぬのが恐くて、眠れない夜があった。
今こうして見えている目も、聞こえている耳も、動く手も足も、いつかなくなっちゃうんだ。
寝る前になると決まってそんなことを考える癖があった。
その頃に。人生で一番恐い本を読んだのだ。
太陽は、だんだん膨らんでいる。あと50億年すると、爆発して太陽系も全部吹っ飛ばされる。
それこそ、身の毛もよだつような恐怖感だった。
「でも、その頃にはもうわしらはいないから大丈夫じゃよ」
そんな無神経なことを言い放つ、髭を生やした絵本の中の博士を心底憎いと思った。

泣き疲れるまで眠れなかった、その恐怖感が、20年経ってもうっすらと甦って、胸を針のようにちくりと刺した。
それでもぼんやり、空を見上げていた。

放射点が現れる19日午前2時ぐらいが、今年の最後のチャンスだろうか。
起きているつもりではいるが。寝ちゃうかもしれないね。

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