2007-01-11

論理的思考について

いきなりですが。問題です。
ここに、100ccの水があります。
これに、砂糖を加えて5%が砂糖の、砂糖水にしたいと思います。
さて、砂糖は何cc加えればよいでしょうか?



「簡単だよ、100ccの5%だから5ccだ」
と、脊髄反射してしまったアナタ。危険です。論理的思考が出来ていません。
100ccの水に砂糖を5cc加えたら、全体の体積は105ccになります。
5÷105は5%、つまり0.05になりますか?なりませんよね?
それでは間違いなんです。

では、どうするか。
入れる砂糖の量を仮にxとします。
ということは、砂糖を入れた後の量は100+x、全体に占める砂糖の割合が0.05ですから、
x÷(100+x)=0.05
という式が成り立つことになります。
0.05を移項して
x÷(100+x)-0.05=0
分母を通分して
x-0.05(100+x)=0
()を展開して
xー5-0.05x=0
xでくくってー5を移項して
(1-0.05)x=5
()内を計算して
0.95x=5
両辺を0.95で割って
x=5÷0.95
x≒5.26(ry
答えは、だいたい5.26(ry)ccということになります。

これは、中一レベルの一次方程式だ。義務教育を終えていれば、できないはずがないのだ。
だが。できない人が実に多い。
今日、実際に、似たような件で何で?何でそうなるの?と?が顔いっぱいに広がった人を大量に目撃してしまったのだ。
方程式が作れない、解けない、だけなら、いい。
問題なのは、100ccというキリのいい水の量と、5%という濃度の低さに、思考回路が止まったことだ。
水にサラサラと砂糖を加えて、加えた後も水は変わらず100cc、と当たり前に考えてしまうことなのだ。
出来上がりを想像できていないのだ。
5ccちょっきりになるはずはない、と考えられないのだ。
その、現在→行動→結果が繋がっていないこと、それが問題なのである。

結果、つまり「答え」だけを求められ続ける社会が原因ではないか。という気がする。
答えなんか、どうだっていいんだ。人間なんだから計算ミスはある。
答えだけを性急に求めるあまり、考えることをやめてしまったら、餌を探してうろつきまわる猿と変わらない。

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