2007-02-07

「少子化」の理由

納豆や不二家が静かになってきたと思ったら、今度は柳沢発言である。
よくもまあ次から次へと下らない事で騒げるものだ。
下らない。私は、下らないと思うんだが。どうだろう。
「女性は産む機械」もし本当にこう言っていたら、この表現がいいものだとは私も思わない。認識不足と責められるのも仕方無いだろう。
だが。そう言ったわけでは、なかったんだが。
「女性は産む機械」という短いセンテンスだけが一人歩きしているが、例の講演にこの通りの発言は、無いのだ。
講演の「機械」を含む部分は、18〜50歳の女性の数は決まっている、それぞれが産む数を増やさなければ少子化対策はできない、ということを譬えただけのものだ。
まるで「女はガキ産む機械なんだから黙って産んでりゃいいのに」とでも言ったかのような叩かれようだが。そんなことは一言も言っていないのだ。
意図は文章にのみある。単語には無い。
譬えは悪かったかもしれないが、それだけでアレルギーを起こすんでは、某無料HP作成ツールの禁止語句摘出システムと一緒だ。それこそ、言語コミュニケーション能力の無い「機械」の発想である。
最も、この大臣の一昨日の「子供が2人以上欲しいという未婚者が圧倒的に多く、いたって健全」発言は、完全に多数派主義・守旧派主義であることを露呈したわけで。
結局はどっちもどっちなんだが。

それにしても、世間を賑わす少子化対策の数々は、無策に近い。
やれ託児所を増やせだの、産休1年を絶対保障しろだの、フェミニスト団体の要求はピントが外れている。
女性の社会進出をはじめとするライフスタイルの変化は、前提条件の一つでしかない。
女が働きたいと言うなら、男が家にいたっていい。
1年産休して元通りの処遇を、って、どんな理由だろうが現在の社会変化のスピードで1年離れた人間に、同じ能力は期待できない。
ひどいのは出産奨励金で3人以上生んだらン万円、なんて自治体もある。
そんなことをやってたって、解決はしない。対症療法で病原を治せるはずが無いのだ。
そもそも、何で子供を作らなくなったのか、作るときはどういった状況だったのか、ということを考えなければならないのではないか。
ベビーブーム、と言われる時期がある。
僅かな期間に、他の年よりも圧倒的に多く子供が生まれた時期だ。
ということは、他の時期よりも子供を作りたくなる時期だった、ということでもある。
ここに、一つのヒントがある、と私は考えている。

第一次ベビーブーム。
第二次世界大戦の直後、1947〜50年ぐらいの世代である。俗に言う「団塊の世代」だ。丁度私の親の世代にあたる。
この時期に子供がたくさん生まれた理由は、容易に察しがつく。一般にも言われているし、その通りだろう。
戦時の不安から解消され、徴兵され別れていた夫婦が再び会し。滅びの危険を寸での所で逃れた者が子孫繁栄を願うのは、人間だけでなく生物全般に普遍の定理である。
国力を落としていた日本の政府も、この世代を宝として手塩にかけ育てた。
決して裕福ではなかった国が、子供の数に合わせ物凄い勢いで小中高と学校を立てまくり、都市型労働へと産業を集中させて、所謂「次男・三男の食いっぱぐれ」を防いだのである。
この政策は、劇的に当たった。日本は他に類を見ない高度経済成長を見せ、団塊の世代は皆、努力すれば報われる、という成功体験を得て育っていったのである。

団塊の世代は、やがて揃って適齢期を迎える。71〜74年、第二次ベビーブームである。
第一次ベビーブームが、大戦に参戦した先進国の殆どで見られる現象なのに対し、そのさらに子供の世代が集中する、という現象が起きた国は意外に少ない。
日本的な婚姻の慣例が嵌ったのもあるだろうが。それだけではないだろう。
私はそれよりも大きい要因として、団塊世代のそこまでの来し方があると思っている。
みんな、子供の頃は貧しかった。街もみすぼらしかった。
そこから、勉強すればしただけ、働けば働いただけ、成果に繋がる。
日本は豊かになり、どの会社も人手を欲しがっていた。初任給も十分で、将来の不安もなかった。
余裕があるから、働けばすぐに結婚して子供を作る、そこに無理がなかったのだ。
だが。このベビーブームは、一般には74年までと言われる。
75年には合計特殊出生率が2を割り、早くも将来の人口減少社会が予見されている。
第一次が47〜50年。ピークと言われる49年生まれの世代は、74年はまだ25歳である。
終わるには、早い。終戦という劇的契機がある第一次と較べれば、ゆるやかなピーク曲線を描くはずなのに。
私は、76年の生まれである。実際に、私より一つ二つと学年が下がる毎に学校の倍率が下がり、クラスが減るのを目の当たりにした。
確実に、私ぐらいの年から子供が減っている、というのを実感してきたのである。
何故か。
この74年、実は大きな社会不安を呼んだ、オイルショックの年なのである。

日本は都市型労働産業に極めて傾いた国家である。
特に二次産業、工業が高度経済産業を支えた。
食料自給率は世界最低、燃料自給率も石炭を掘らなくなってからは極めて低い。そこにもし、石油が無くなったら。
トイレットペーペーで騒いだだけでは、なかったのだ。人々には、日本の将来への強い不安が、この時はっきりと生まれた。
いつか石油は無くなる、という現実は、公害問題が噴出する社会情勢と併せ、環境問題、つまり地球そのものへの不安にまで広がっていったのだ。
そこにさらに輪をかけたのが、団塊世代の生い立ちだ。
皆貧しかった。貧しいのに子供が多い辛さを良く知っていた。
たくさん子供を作っては、豊かに育てられるかわからない。
そもそも、自分の仕事だっていつまでこのままかわからない。
朦漠とした不安感が、子供を作る意欲を萎えさせたのだ。

オイルショックは、結局日本経済にさしてダメージを与えなかった。
だが、団塊世代とその子供達に与えた傷跡は、強い影響を示し続けた。
私の同級生達は、皆豊かだった。
ファミコンを持っていないのも、毎日菓子が食えないのも、アディダスやアシックスのようなメーカー品のジャージを着ていないのも、母親のお下がりのグローブを使っているのも。みな、私ぐらいだったのだ。
そして、皆親戚が多い。ベビーブームの子供だから当たり前だ。小学生にしてお年玉が毎年十何万と溜まる、という、すごい子供もいた。
私だって、貧しかったとは思わない。衣食住に不便を感じた事は無かったし、小6の途中からは新築の持ち家に住んでいた。
世間の子供の平均は、その私以上に物質的に豊かだった、ということだ。

日本はその頃、経済力からくる消費の増大を背景に、2次産業から3次産業、工業よりサービス業や金融・不動産業へシフトする。
そして、円は世界最強の通貨になる。バブルである。
ディズニーランドの空前の成功を皮切りに、うすっぺらなリゾートがあちらこちらに現れ、人々は儲けのみに群がった。
そのド真ん中にいたのが、働き盛りの30代後半を迎えた団塊世代である。
あぶく銭を掻き集める虚業を実業と偽り、土日も休み無く接待という名の遊興に明け暮れていた親に、第二次ベビーブーム世代は育てられたのだ。
やがてバブルは弾けた。
所得水準は下降の一途、それでも、子供たちに与えられるものは、変わらなかった。
甘やかされて育った彼らが、水準を落として納得するはずがないのだ。
親たちも、何も変わらなかった。相変わらず手前勝手な虚業にうつつを抜かし、変えようとはしなかった。
だからこそ、日本はどこまでも坂を転がり落ち。
未だ、落ち続けている。
景気回復?いったい、どこで?
回復しているのは、企業収支だけだ。個人所得は落ちる一方、年金は制度の根本から怪しくなり、国の借金は膨らみ続けている。
虚業には虚業、で銭を転がすホリエモンやグッドウィルには一発逆転があっても、実業のみでは浮かび上がれない。
さらに。漠然としたものでしかなかった環境問題は、今や現実感を帯び始めた。
地球温暖化は、日々の生活の中で実感できるものにすらなりつつあるのだ。
どこを探しても、未来に希望は無い。未来どころか現在にも希望などほとんど無いのだから。
甘やかされて育った第二次ベビーブーマーは、自分を守るだけで精一杯なのだ。
年々増加する自児虐待も、根は同じ所にある。

どうすればいいのか。
小手先の対策では、改善しない。できない。
国の根元から変えなくてはならないのだ。
威勢だけの虚業家の時代を、終わらせることだ。
詐欺師だけが利をむさぼるような、見せ掛けの構造改革ではなく。
真に国を引っ繰り返すような。根本からの改革が必要なのである。

子を残す、というのは、全ての生物に普遍の本能だ。
それが崩れた意味を。真剣に考えなければならない。

7 comments:

Anonymous said...

【産む機械】にゅぅす正直ぅんざりw
どぉ~でもぃぃ~ですょ~♪
と までゎ逝かなぃけど
云った 云ゎなぃ なことよりも
もっとやるべき琴がぁるぢゃねぇ~~~かっ!!!!!
って。。。。まぁ~此処の時点で他人事に過ぎなぃね。。。笑

少子化問題ゎ難しいやね。。。
子供の将来を考ぇたら
そぅぽん②産めるもんでも茄子!!!
子が親殺す 親が子殺す
産んでも絶たれる命もぁるしっ。。。
んーーーー難すぃ。。。。


なんだか無茶苦茶纏まらなぃ悪寒。。。笑
なので退散。。。。爆

三治 said...

あのさ。いっこだけさ。気になったんだが。

子が親を殺すのと、
親が子を殺すのは、
似てるようで全然違うもんだと思うのね。

子が親を殺すのはさ。祖霊信仰とか儒教的思想観で言えば確かに悪なんだけど。
姥捨て山とかさ。似たようなの、意外と世界のあちこちにあって。
他の生き物見てもさ。親の体食って生きてく幼虫とか、いるわけじゃない。
先に死ぬのは、普通に考えれば親だから。
子が生きていくために親を殺すっていう考え方は、いいことか悪いことかは置いといて。
ある程度、自然にも起こりえる考えというか、感覚だと思うんだよね。

でも、親が子を殺す、っていうのはさ。
遺伝子が途絶えるわけじゃない。
日本的に言えば、血を絶やす行為なわけじゃない。
自分が一番大事で、自分の生きていることが大事で、自分以外は、たとえ自分の血を分けたものであっても、どうでもいい、ちゅう考え方だよね。
それは、絶対に悪だと思うんだ。

絶滅寸前の動物ってさ。最後は、親が子を食うんだよね。
人間もそこまで来てるのかなあ、と。
特に日本は。他人殺すより子供殺すほうが圧倒的に多いわけじゃない。堕胎を含めたら。

そろそろ、なのかな、と。思うよね。

Anonymous said...

ぅん②確かに。。。子が親殺す。。。
姥捨て山とかの意味なら分かる
けど。。。むかつぃたからとかさっ
理解不能な動機で親ころす子供も居るぢゃん。。。ねっ。。。
親の育て方とかもぁるんやろけど。。。
つか。。ぁたしも殺されるかも。。。笑

腹痛めて産んだゎぃぃが。。。
残虐に殺されて逝く子供
密室だから他人が踏み込めんとこ
まだ②沢山ぁるょね。。。
ゎけ分からずがきんちょゎ殴られ
。。。。。そんなん想像するだけで
しんどくなるょ;;

Anonymous said...

三治の言ぃたぃ琴とちとづれたか??
づらだけに。。。勘弁ね;;
出勤前にかぃたゎぃぃが。。。
まとまってまかった。。。。○rz
すまそ;;

Anonymous said...

いや、ズラしたの俺だし。
つーかズレたってかまやしねぇから言いてえこたぁ言え。

でさ。
ムカついたから殺す、って理解不能かね?
メディアの情報だけじゃあ理解不能、ってだけじゃねーかな、と。
子供は言葉知らないから、ムカついたから、になっちゃうだけじゃねーかな。
ムカついてたんだよ。多分、俺らが勝手に考える「ムカつく」よりずっとね。

あと、俺は子に殺されるなら本望だね。
我が子に死んじまえとか思われるような親は、いないほうがよっぽどいい。
と、思うよ。

Anonymous said...

確かに。。。居なぃほぅがましだ・・・
って思ゎれながら共同生活するなら
それゎちがぅんだね。。。
ぁたしも。。。そぉ~ならん様
努力ゎしてきたつもり。。。
【ぅるせぇ~~~~糞婆ぁ~~~】
【なにを~~~この糞がきぃ~~】
って言ぃ合ぇてるほぅがましなのかも。。。笑

俺らが勝手に考ぇる【むかつく】を
遥かに超ぇる【むかつく】
そぉーーーなるまぇに
なんで。。。そのむかつくをぶつけられんかな??
ぶつけても聞ぃて貰ぇんなら意味なぃけどね、、、
それでも・・・・殺すなんて。。。やっぱぁたしにゎ理解出来ん。。。
それなら家出でもなんでもして
親から離れるし。。。

Anonymous said...

それぁ、順番が逆、だな。
ぶつけられないから、殺すんだよ。
家出できないか、しても何も解決にならないから、殺すんだよ。
理解不能なのは、知らないからさ。
彼らが抱えていたものを知らないと、理解不能なのは当たり前だよね。

イイコにしてなさい、親の言う通りに世間のいいと言うようにしてなさい、ってだけ言うのは。
自分がどこにも無い。殺されてるに近い。
ていうのは実は『軍鶏』の受け売りだけどw
そういう感覚は、わからんでもない。
彼らのことは、彼らにしかわかりようないけどね。

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