2007-08-18

成長か、逆行か

コイズミの、半ば痴呆に近いようなキャッチフレーズ政治の影響なのか。やたらごにょごにょべちゃべちゃとおよそわかりにくいことしか言わなかったアベまで、選挙が近づいてから取ってつけたようにキャッチフレーズを持ち出していたが。
成長か、逆行か。
これはひどいなあ、と思っていた。
「美しい国」や「戦後レジームからの脱却」も、考えれば考えるほどにわけがわからないという意味でひどいフレーズだったが。意味がわかる分だけよりひどい。
成長しなければ雇用も所得も税収も上がらない、上がる筈が無い、それでどうやって国を立て直すのか、とでも言いたいのだろうが。
そして、コイズミ政権期も含めて景気を拡大し続けてきた党の実績を訴えたいのだろうが。
景気なんて、いったいどこで拡大しているんだろう。少なくとも私の周りに儲かってしかたない会社なんかないのに。高度成長期やバブル期とは明らかに違う。
今の景気=企業収益状況の改善は、リストラと給与カットを続けたことによってもたらされたものであって。会社がクロだと言うだけで大方の労働者の所得は不況時から何にも変わっていないからだ。
成長なんかしていないのだ。大企業が潰れなくなったというだけで、消費も物価も何も変わっていない。現状維持のまま節約術がうまくなった、それだけの話なのである。
その路線でさらなる成長を、というのは、より会社が労働者に払う賃金を減らせるよう政府が手助けします、という意味にしか聞こえない。
ただでさえ、ホワイトカラーエグゼンプションなどと怪しげな横文字を並べて残業代カットに正当性を与えようとした政府だ。彼の言う「成長」なんて、誰も信用しないのは当り前だろう。
 
そもそも、成長なんて誰が望んでいるんだろう。その段階から、私には疑問なのだ。
私は、人間的にならどんどん成長していきたいと願えるが。経済的成長なんか、どうでもいい。
むしろ、その「伸びしろ」がどこにあるのかのほうが気になってしまう。
極端な成長志向が環境に与えた負荷を検証し反省し、見直しを進めていくのが今の時代の目標ではないかと思う。
 
成長か、逆行か?俺は迷いなく逆行を選ぶね。成長はもうたくさんだ。

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