2007-09-01

みちしるべ

この道を、ただまっすぐに行けば、目的地に着く。
わかっていても、まっすぐには進まない。それが人間、かもしれない。
 
そんなことを考えながら、毎日行っては帰ってくる。
一番早い道は、わかっている。それでも、わざとあちらへこちらへ。
特段買い物もないのにコンビニや本屋に寄ってみたり。
公園の駐車場に止まって、ただぼんやりしていたり。
こっちですよ。左ですよ、300m先を左折ですよ。
誰だか知らないが、親切な人がそう言ってくれている。
ありがとう、と言いながら、右へ曲がる。300m行く前に右へ曲がる。
達成を、したくないのである。
目的というのは、達成した瞬間に意味を失う。
それが、怖い。のかもしれない。
 
あぁ面白かった。
そう言いながら死にたい。
ずっとそう思ってきたが。
私に、できるだろうか。
面白かった、と言いたくなったことが、あまりないのだ。
いつだって楽しいのは、今だけである。
終わったら、つまらない。
だから、過程を少しでも引き伸ばそうとする。
まっすぐ帰る無駄の無さに憧れつつも、やはりそこに価値が見出せないままでいる。
 
親切で言ってくれているのは、わかるんだが。
誰かの示した道は、行かない。行きたくない。
我が道というほどの自信は無いが、おそるおそる、迷いながらも迷っていることを楽しんでいたい。
それは、そんなに悪いことだろうか。

No comments:

↑ このブログがお楽しみ頂けたら押して下さい。ただの「拍手」です。