2006-10-11

加納律子の生涯

今日は暇なんだよ。
暇なのを見透かしたかのように、この会社のパソコンにスパムメールがどっちゃりやって来るんだよ。
最近のスパムは、必ず個人名を装ってやってくる。
加納律子以外にも、事務局の吉岡さんやいつもあられもない画像付きのまいこさんはすっかりお馴染みだ。
こっちから連絡もしないのに。熱心なもんである。
その中でも、先週から加納律子さんの切羽詰りようは並大抵ではない。
もしかして、やり方がわからないとか?とまで心配してくれる。
そこまで心配されては、半端でなく暇な私としても彼女の生涯について想いを巡らせざるを得ない。
メールもろくに読んでいないんだが。だいぶ妄想が膨らんだので、書いてみる。

加納律子は、ごく平凡な家庭に育った。
父親は腕のいい自動車整備工で、母は家計のためにパートで働いていた。
律子が10歳の時に、新興住宅地に家を建て。ローンのためもあって、ますます両親が家にいない時間が増えた。
両親の不在が多くても、弟が二人いたから、寂しくは無かったし、特に貧しくもなかった。
父は無口で、優しかった。母はもっと優しかった。不自由はなかった。
両親は、律子を何も言わなくてもわかる賢い良い子だと思っていた。
漠然とした安心感と、それと背中合わせのもやもやした不安感の中で育った。
両親に秘密にしていることが多かった。何でもないようなことでも、普段の会話が無いから自然と秘密になった。
秘密の一番は、好きな男のことだった。
小学6年生。発育が早めだった律子は、自然と性への関心も早い時期から持つようになった。
鼻水垂らした同級生には興味が無かった。子供にしか見えなかった。
3軒隣のアパートの、登校する律子をいつも自転車で追い抜いていく大学生に憧れていた。
特に男前ではなかったが、優しげな眼差しが印象的だった。

中学を間近に控え、律子の周囲は俄かに騒がしくなった。
新興住宅地特有の、お受験ムードである。
どこそこの誰が私立の進学校に行く、うちの子もうちの子も。
律子の母親も例外でなく、塾に通うことになった。

初めての塾は、学校とあまり変わらなかった。
来ている生徒は皆同じ学校の同級生である。
律子は転校してきたとはいえ、目新しい顔はなかった。
2時間目。社会科。あっ、と思わず声に出してから慌てた。
あの大学生が講師だったのである。
彼は気付いてはいなかった。見ていたのは律子だけだった。
不思議な気分だった。初めてまじまじと正面から顔を見たのだ。
うすらぼんやりとしたものだった憧れが、急に形になり始めた。
風船というのは、少し膨らみ始めればてもなく膨らんでいく。
寝ても覚めても、彼のことが頭から離れないようになった。

3月末。春休み。いつもの授業が終わり、大学生は淡々と言った。
「今日でみんなとはお別れです。来週からは中学講座の先生に変わります。中学に入っても頑張って下さい。では。」
何の話だかわからなかった。終わり?変わる?
週三回見つめていられた存在が、いなくなる。
いつものようにべチャべチャと喋る同級生の輪に加わりながらも、律子は上の空だった。
家に帰る。春休みだから昼間だ。もちろん両親はいない。弟は遊びに行っている。誰もいない。
ぼそぼそと飯を食い、部屋に入る。何も考えられない。思いつめた。
意を決した。家を出る。
3軒隣のアパート。大学生が家にいる時間は、既に把握していた。
深呼吸。呼び鈴。あぁい、と間の抜けた声。
戸が開く。
「あれ、どうした?」
「先生・・・」
「まあ入れ」
大学生は、農家の一人息子だった。息子可愛さのあまり、農家を継がせたくない親は、一人都会の大学へ送り出したのだ。
最初は意気揚揚としていた彼だったが。大学の友に馴染めず、またこの二年間の一人暮らしで、すっかり荒んだ心の持ち主に変わっていた。
小学生とはいえ、発育した体を持つ律子である。
「先生に、会えないと思うと、さびしくて、」
そこまで聞けば、歯止めは利かなかった。
律子は最初驚いたが、必死だった。すこし、嬉しかった。
目を瞑り、歯を食いしばる。
最中に、不思議な電子音が聞こえた。
「なに?」
答えなかった。
終わった後で、知らされた。
「かわいかったから、写メ撮っておいたよ。バラされたくなかったら、わかるよね?」
鼻の奥に刺さるような痛みを感じた。
それでも、黙って頷くしかなかった。

二年後。大学生は東京に就職し、去っていった。
寂しくは無かった。もはや、何の感情も残っていなかった。
ただ、秘密だけは、持て余した。
誰かに打ち明けたかった。打ち明けられないから、それを誤魔化す方法を探した。
塾にかこつけ、夜の街を出歩くようになった。
悪い大人はいくらでもいた。それに、助けられた。
脅されることも無く。いいものを食べ。お小遣いをもらい。
金のある律子の周りには、たくさんの人が群れるようになった。
ひひひ、と奇妙な笑い声を発するようになった。

両親は気付いていた。しかし、律子の変化はあまりに急激だった。
忙しい彼らには、余計にあっという間に感じられた。
だからこそ恐ろしく、触り難いものになっていた。

高校に入ったものの、次第にほとんど行かなくなった。
昼間から駅前であぐらをかき、友人とも言えないようなものに囲まれ。奇妙な化粧をしていた。
しかし、そうした日々は長くは続かなかった。
売れなくなったのである。
何の苦労も無く、引く手あまただった律子は、うろたえた。
鏡を見た。じっと見た。殴り割りたかった。しかし、破れたのは律子の手の甲だった。
自分から声をかけるようになった。
2万円。1万円。5千円。どんどん値が落ちた。
耐えられなかった。金よりも、友人が離れ誰にも相手をされなくなり。それが耐えられなかった。

そんなある日。
ねえ、と掴んだ、腕の持ち主が振り向くと、見知った顔だった。
誰かは思い出せなかったが、手を引っ込め、ごめん、人違い、とかなんとか。
「待てよ」呼び止められ、振り向く。
真面目そうな高校生のようだった。
「律ちゃんだよね?」
転校する前の小学校の同級生だった。

そういう目的の無い男と会話するのが久々だった。昔話をした。
彼は、何も知らない。その安心感が心を開かせ、いつの間にか泣いていた。
怪訝な顔をしつつ、それでも彼は頭を撫でた。
「気にすることないよ。」何も知らないのに、そう言った。

メールアドレスだけ交換して別れた。大事な秘密になった。

毎晩、携帯でやりとりするのが楽しみになった。
化粧を落とした。
学校へ行くようになった。
冷たい視線も気にしなかった。
中学に入ってからはじめての、心から楽しみと思えることが。
律子を変えていった。
何もかもが、元通りになった、両親はそう思った。いや、思おうとした。
また、変わってしまうよりは、今のままがいい。そう考えただけだった。
腫れ物に触るような扱いは、変わっていなかった。

また会いたいね。同級生には、毎日そう書いて送った。
だが、会いたくない気持ちも残っていた。
過去の傷に触れられたくなかった。
触れられることより、触れさせて傷つけることが怖かった。

やがて。同級生のメールが変わりはじめた。
会いたい、から、いつ会える、何をしたい、に。
風船が膨らみはじめたのに気付いた。
何故だか、少し醒めた目でそれを感じる自分がいた。
愛されない、という確信に似たものが律子を覆っていた。それは相手が誰でも変わらなかった。
それでも、いつまでも逃げてはいけない気もした。
答えを出さなければいけなかった。

日曜日。
同じ街では会いたくなかったので、律子が出向いた。
化粧を落とし、黒い髪の律子に、彼は少し戸惑った。
だが、すぐに歯を出して笑った。
「そのほうが似合うよ。」
言うとは思ったが、言われるとやはり嬉しかった。
自転車で二人乗りした。手を繋いで歩いた。茶店でコーヒーを飲んだ。
どれも、律子には初めての経験だった。
それでも、どこかで醒めた自分が、浮き立つ心を抑えこもうとしていた。
日が暮れる。帰る予定の電車の時間。
ぼそっと、彼が言った。
「何があったか知らないけど、律っちゃんが昔みたいに笑えるまで。待つよ。」
見透かされていた。
堰を切ったように、抑えていた想いが溢れだした。
涙が止まらなかった。
そっと抱いてくれた肩の手を、ゆっくり外して。電車に乗った。
すがるように見つめていた。彼は、ホームを少し歩いて、やがて立ち止まった。

その夜。
メールを書いた。
【ありがとう。嬉しかったよ。
でも、ダメです。
待ってても。変わらない変えられないことがあるの。
これ以上、苦しい思いしたくないから。そっとしておいて。
さようなら。】
返信
【どうした?】
返信
【ダメなの。ごめんね】
返信
【それじゃわかんねえよ。どうしたんだよ】
返信
【言えない。言わない。ごめん、わかって。これ以上、好きになれない】
返信
【愛してる】
返事が、書けなかった。すぐにアドレスを変えた。
もう悲しくはなかった。

そのまま、二度と連絡はとらなかった。

それでも、律子の中にはある強さが生まれていた。
それは確かに、彼の力だった。
見られる自分と、本当の自分。その区別がつくようになった。
大人びて見られ、欲の対象として見られ。それに耐えられなかった律子は、もういなかった。
彼が似合うと言ってくれた自分のままでいればいい。そう思った。

とはいえ、退屈だけは本当に持て余した。
律子の周りには、本当に友達と思える者がいなかった。
それまでいたのは、金にたかる豚だけだ。豚は餌が無くなれば見向きもしない。
仕方がないから、勉強をした。勉強している間は、一人であることなど忘れていた。
もともと真面目だった律子である。みるみる成績が上がった。
両親と、進路の話をした。久々の親子の会話だった。
忘れたい思い出が多すぎるこの街を、出たい。その一心だった。
東京の大学に行きたい、一人で暮らしたい、お願いします、と言った。
ひょっとしたら、律子の人生で初めての本気の懇願だったかもしれない。
両親は、いつものように気弱く頷くだけだった。
内心は、ほっとしていた。人並みの進路に落ち着いたから?いや、別の理由で。
難なく合格した。万が一にも落ちぬよう、偏差値から見れば絶対合格圏の学校を受験したのだ。
新しい生活への期待より、深い深い安堵に。律子は静かに微笑んだ。

新学期。
もちろん律子にも、浮いた気持ちがなかったわけではない。
何もかもやり直せる。そういう期待は、やはり持っていたはずだ。
だが、周囲の異様な興奮には、違和感しかなかった。
東京の大学といっても、生徒の大半は律子と同じような上京組だ。
サークル!コンパ!と、連呼し賑わうキャンパスは、覚えたばかりの言葉を使いたがる子供の群れに似たものを感じていた。
少しずつ、意識しない所に疲れが溜まっていた。
その大学では、1・2年次は教養学部の所属になり、クラス分けによる同じ顔触れの講義が多かった。
次第に仲良しグループが生まれ、律子もそのうちの一つに何となく加わった形になっていた。
いくつかのグループで意見が一致し、クラス全体のコンパが開かれることになった。
どうしようかな、とちょっと渋った律子に、いや、別に嫌なら無理しなくていいんだよ、と口を滑らした男子学生がいた。
ちょっとムキになった。行く、と返事した。
行くと決まると、やはりちょっと浮かれた。

土曜の夜。
会場までの道順に、慣れない律子は少し迷った。
着いた時には、既に男子学生の真ん中にしか席がなかった。
戸惑った。どうしていいかわからず、促されるままに席についた。
隣の学生が、
「へい、いらっしゃい!何にします?ビールにしますか?」
おどけながら言った。少し、いやかなり、救われた。表情が和んだ。
彼は、そのクラスでも珍しい自宅から通う学生だった。一年浪人していた。
場慣れしている様子で、周囲を笑わせながらも常に律子に気を配っていた。
その部屋は、やはり異様な興奮に包まれていながらも、知らぬ者同士のぎこちなさが残っていて、ふいに静かになる瞬間がある。
1時間程経って。何回目かの静かな瞬間。
隣の彼が静かに言った。
「加納さんって、ちょっと他の子とは違うよね。気になってたんだよね。」
不意をつかれて、すっと彼の目を見てしまった。
柔らかい目だった。疲れていた律子には、それだけで十分だった。

二次会。カラオケ。
やはり彼の隣で、同級生の歌う流行りの歌を聴いていた。
酔いもあって、少しぼんやりしていた。楽しかった。顔では笑わずとも、心の底から楽しかった。
彼の番になった。
てっきり同じように流行りの歌を歌うと思った。意外な歌だった。初めて聞く歌だった。

あまりにも突然に
昨日は砕けてゆく

それならば今ここで
僕ら何かを始めよう
僕ら何かを始めよう

未来は僕らの手の中

涙がボロボロ出た。
未来なんか考えたこともなかった。過去に引きずられ引きずられるままに生きてきた。
間奏で律子の涙に気付いた彼は、そっと曲を止めて、律子を連れ出した。
「大丈夫か?」
「ごめん、ごめんね」
「うん。もう帰りな。電車乗れる?」
「ううん、歩いてきた」
「うん。じゃあ送るよ」
連れられて歩いた。ネオンが眩しかった。涙は、すぐ止まった。
飲んだ時はこれに限るんだよ、そう言われるままに、コンビニでカップラーメンを買って二人で食べた。
「見てろよ」そう言うと、彼はぞそそっと全ての麺を一息に吸い上げて見せた。
一瞬唖然としたあとで、律子は声をあげて笑った。頬を膨らまして得意げな彼の顔にまた笑った。
家に着いた。
「じゃ。また明日な。」
そう言われて、急に寂しくなった。腕を掴んだ。俯くしかできなかった。

律子はみるみる美しくなった。
あまり気に掛けなかった服装が、都会風のセンスのあるものになった。
黒く伸ばしていた髪に、ゆるやかなパーマを当てた。
醒めたような眼差しには力が宿り、高貴な感覚すら覚えるようになった。
落ち着いた物腰が、それに一層の気品を加えていた。

秋。大学祭。
誰からともなく推薦された律子は、準ミスキャンパスに選ばれた。
彼と二人、構内を闊歩する様は、羨望をもって見つめられていた。

2年。3年。一緒に暮らすようになった。幸せな日々は続いていた。
喧嘩一つしなかった。物を言わぬ律子と、おどけて笑う彼は、歯車が合っていた。
次第に、相手がいるのがあまりにも当たり前に、お互い感じるようになっていた。
どちらが言うでもなく、むしろ周囲の声に押されたのかもしれない。
卒業したら、結婚しよう。そう決めた。

就職活動が始まった。彼との結婚が当然の将来と思っていた律子は、身が入らなかった。
彼は、予想以上に真剣だった。二人の未来を熱く、食わせていくにはどんな仕事をする、と語った。
普段のおどけた彼に慣れた律子には、それが少し可笑しかった。
微笑ましく、同時に何だか頼りなく可愛らしいものに思えた。
面接に行ってくる、その日も、そう張り切って家を出る彼を見送った。
昼過ぎ。そろそろ帰ってくるかな、と昼食の支度をしていた。
友人からメールが来た。
「ちょっと!彼氏、何か女と二人でお茶してんだけど!」
写真が付いていた。間違いなかった。
白くなった。その後、チカチカしたものが目の前を飛んでいた。
がくんと膝が折れ、動けなかった。鼓動が高鳴り、それと逆に肋骨が締め付けられるような感覚があった。
律子は、誰にでもある「嫉妬」という感情を、この時初めて経験していた。

2時間程して。彼が帰ってきた。
律子はそのままだった。彼は着替えながら、面接の手応えの話、その会社の将来性について語っていた。
着替えが終わり、顔色を変えた律子にようやく気付いた。
どうした?そう言われても、律子はふるふると首を振るだけだった。
どうした?重ねて聞いて、律子の手に握られた、開いたままの携帯に気付いた。
彼は、ため息を一つついてから、笑って言った。
「なんだ、これか?サークルの先輩だよ。今日の会社に入ってるんだ。いろいろ聞いて、ちょっとコネも頼んでたんだよ」
コネが恥ずかしかったから言わなかった、と言った。
話が終わったらすぐ帰ってきた、と言った。
ワリカンだった、と言った。
ガンガンして何も聞こえなかった律子の耳に、少しずつ彼の言葉が聞こえてきた。
信じることにした。他に方法もなかった。
だが、心の奥に重たいものが沈み、動かなかった。
それは、律子の暗い過去の、すぐ隣の場所だった。

彼はその会社に内定が出た。イヤとは言えなかった。疑っていると思われたくなかった。
二人で旅行をした。律子の両親に挨拶を、という彼を止められなかった。
両親は、喜んでいた。今度は心から喜んでいた。
離れて暮らす日々が、二人の中の律子をすっかり美化し終えていた。
律子は、終始浮かない顔で、終わったら早く帰ろうと彼を促した。
消せない暗いものを、嫌でも意識させられた。

東京に戻り、ほどなく卒業した。
式は挙げなかった。地元の者を彼に会わせたくなかった。
二人の生活は些程変わらなかった。ただ、大学という共通のものが無くなった。
律子は、家から出なくなった。元が活動的なほうではない。用が無ければ家にいるのが自然だった。
料理のレシピを調べようとしたのがきっかけで、パソコンでネットをするようになった。
そこには、色々な人の破片が落ちていた。
ひとつひとつのかけらに、思わず心を動かされている自分がいた。
次第に、ネットの上での自分が形作られていった。
自分ではないような、でも確かにもう一人の自分。
何だか居心地がいいような悪いような。不思議な感覚があった。
そこでは、何も隠す必要が無かった。外形を知られていない安心感が、律子の心のタガを外した。
忌まわしい記憶。売り物としての過去。慰められたり罵倒されたりしながら、それを愉しんでいた。
誰にも、自分にも認められない過去が、そこでは特殊な経験という、誇れすらするものだった。

彼の帰りはだんだん遅くなった。残業だったり、付き合いだったり。
どうでもよかった。興味が無くなっていた。
ネットをするうちに、大きく膨らんだ黒く重いものに、律子は支配され始めていた。

大学の同窓会が開かれることになった。式を挙げていない律子夫婦は、是非に、とくどいほど誘われた。
4年間憧れの対象にされ、そのまま結ばれた二人は、強烈な祝福を受けた。
壇上に無理矢理引き上げられたところで、合唱が始まった。打ち合せ済だったらしい。

照れてる私に 虫達が
口づけせよと囃したて
口づけせよと囃したて
口づけせよと囃したて…

囃されるままに、口づけをした。
大歓声のなかで。律子は、一人胸のしこりを疼かせていた。

近寄り難い律子と違い、親しみやすい人気者だった彼は、多くの友人達に囲まれていた。
喧騒から離れ、律子はぼんやり座っていた。こういう場でどうすればいいかも、忘れかけていた。
彼と同じ会社に入った友人がいた。どちらからともなく話し始めた。
「毎日残業やら付き合いやら。大変みたいね。」
怪訝な顔をされた。
「いや?俺ら新入社員だし。今労基法とかうるさいじゃない。残業はほとんど無いよ。
同僚と飲みに行く時はあるけど、取引先とかからお呼びかかるほど偉くも無いしなあ。
あいつ、遅いの?」
口角が歪んだ。わらっているようにも見えた。ひひひ、と奇妙な声が出た。
「うーん、そうね、たまにね。ところで、どうなの?彼女とかいるの?」

彼は、ますます帰らなくなった。たまに、出張と言って2・3泊する日もあった。
そんな日は、彼の同僚を呼び出した。ただ、退屈だけが理由で呼び出した。
じきに、同僚にも決まった人が出来たが。何とも思わなかった。
探すのが億劫だった。ネットに、出会い系サイトというのがあるのは以前から知っていた。
そして、そこに登録してサクラをやれば、お小遣いになることも。
家のパソコンを使い、会社から貸し出されたスパムソフトで、無作為のアドレスにスパムメールを
↑今ココ!!!加納律子、今ココ!!!!111


すいませんねこんなオチで・・・(;^ω^)
 
旧ブログへのコメント

No comments:

↑ このブログがお楽しみ頂けたら押して下さい。ただの「拍手」です。