氷点下１５度

今朝は、この冬一番の冷え込みだった。
と言っても－１５度だから、普通の年なら大したことは無い。よくある寒い日の一日だったろう。
今年は、これまでが暖かかった。まだ体の準備が万全ではなかったらしい。
しかも、雪が少ない。
雪の布団があると無いとでは、体感気温がかなり違う。
凍れついた車のガラスをこすり終える頃には、分厚いフリースの手袋の中の手すらすっかりかじかんでしまった。

昨日の朝のラジオで、嫌な話を聞いた。
鼻で息をすると、気温がだいたいわかる、というのだ。
鼻の中でペタペタくっつく感じだと－１５度、鼻が痛くなったら－２０度、鼻の中がパッキリ凍りついたら－３０度、というものだ。
言われなくたって、わかっている。
言われなくてもわかっている嫌なことをわざわざ言われるほど、嫌なものはない。

私は、小学生の期間のほとんどを道内でも一番寒い土地で過ごした。
ＮＨＫの７時のニュースの、天気予報。朝６時の気温を、毎朝必ず見た。
まだ石炭ストーブしかなかったその小学校では、－２２度以下で授業開始が１時間遅れ、－２５度以下なら休みになるからだ。
寒ければ寒いほど、嬉しかった。
休みが決まると、友達に片っ端から電話をかけた。
河川敷でスキーをして遊ぶためだ。
寒すぎて危ないから休みになった、なんてことは意に介さぬ。
本気で鼻からつららがぶら下がるような寒さの中で、それでも友達と暴れていたから体も心も暖かかった。

今は。
まず、暴れない。
座っているか、運転しているだけだ。せいぜい、会社の駐車場の雪かきぐらいである。
友達なんか、ここにはいない。誰にでも愛想が良く、それでいて大人しくて真面目そうな三治さんがいるだけだ。
寒いはずだよなあ。