夜明け前
夜が明ける、寸前。
闇の中に、少しずつ深い蒼が忍び込み、やがて白がゆらゆらと加わる。
一日のうちで一番気味が悪く、嫌な時間だ。漆黒の闇夜よりも、よほど嫌な気分が強い。
高校、浪人、大学。この8年間は、まず間違いなく起きている時間だった。
将来のこと。
今までのこと。
いつか死ぬこと。
欲情。
様々な不安が襲ってきて。やるせない時間だった。
ラジオの声に、少し救われた。
働き始めてからは、その気持ち悪い時間に寝ていられるようになったが。
それでも。たまに目を覚ます。やはり、やりきれない思いに覆われる。
チャットに一番ハマっていた頃は、それでもいくらか紛れたが。今はその場所もなくなり、微かにホームページや2ちゃんをいじっているぐらいしか、することがない。
夜が明けると、まだいくらか、落ち着く。
新しい一日が始まった、なんて爽やかな気分になれたことはないが。それでも、ほっとする。
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