単色の世界
ほんの1時間前まで、街には色があった。
11時過ぎから本降りになった雪は、僅かな時間で全てを覆いつくしてしまった。
雪が降っても、木肌は茶色だし松葉は緑だ。家々の壁だって様々な色で彩られている。
だが、その全てを印象から消し飛ばしてしまうほど、雪の白は強烈だ。
空も合わせて、視界の九割が白の世界では、他の色は色では無くなる。単なる、濃淡に過ぎない。
まるで水墨画のような濃淡だけの世界に、瞬時に包み込まれてしまった。
ふわふわと柔らかい雪は、休みなく空から舞い降りる。
まだまだ冬はこれからだ。
白の密度が増すごとに、私の心の余計なものも包み隠されてゆくだろう。
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